One Day 1

-#5 5つの願いがかなうとき-

「麻尋は、ここにいてもいいんだ」

「あ……今の、私が言って欲しいと思ってた言葉。
 想い続けていて、良かった。願いが、また叶った」

 麻尋が微笑んだ。
 それは僕がずっと望んでいた笑顔だった。

「なあ……麻尋」

 さざ波が、やけに耳に残る。
 心臓がバクバクしている。
 ああ、もう。やばい。

「なに?」

 麻尋が不思議そうに俺を見る。
 こいつ、僕たちから姿を消したことを忘れたのか……?
 でもそんなこと関係ないのだ。
 今麻尋がいる。だからもういい。

「……好きだ。好きなんだ。麻尋」
「あっ……」
「俺も、願い続けていたら、叶ったよ。
 なあ、今度こそ、ずっと一緒にいよう」

 そう言って僕は麻尋を抱きしめた。
 大人しく抱きしめられる。

「うん……ごめんね」
「もういいよ。今、ここに、いる。だから、もういい」

 くす、っと麻尋が微笑んだ。

「ありがとう。私も……好き、だよ。
 ずっと……ずっと河合くんと一緒にいたい」

 きゅっと、僕の背中に手を回す。
 お互いがお互いを求めるという幸せをかみ締める。

「ああ。ずっと、一緒だぞ、麻尋……」

 僕は今度こそ離さない。
 稲穂さんに言われたように、麻尋に傘をさしてあげよう。
 一緒に泣いたり、笑ったり、怒ったりしよう。

2009/9/10

戻る